前処理装置とは?

油分や水分、煙、ダストなどを除去するための装置で、グリスフィルターや電気集塵機が代表的なものです。脱臭装置の前段に設置することから前処理装置と呼ばれます。臭気は、その発生過程で油分や水分を多く含んでいることがあります。そのまま脱臭装置に入ると、油分が付着して装置自体を油まみれにしてしまったり、水分が入って水浸しになってしまったりします。こうなると脱臭装置は本来の性能を発揮することができません。また、煙を多く含んでいると、脱臭装置だけでは十分に取りきることができません。このような事態を防ぐために、排出しているガスの性状によっては前処理装置を設置することが必要になります。

コストとは?

大きく分けて、初めにかかる装置の購入、設置のための費用(イニシャルコスト)とそれを維持管理するための費用(ランニングコスト)の2つがあります。脱臭方式によっては、装置価格が安くても脱臭フィルターなどの消耗品代や点検費用が必要となるものや、装置価格は高くても消耗品を必要としないものもあるので、購入時には両方のコストをチェックしましょう。また、コストは一般に処理風量が大きいほど高くなるので、コストの比較をする場合には処理風量も見ながら行うことが必要です。

必要スペースとは?

脱臭装置を設置するうえで必要なスペースは、装置本体を設置できる空間が必要なことはもちろんですが、さらに、ファンやダクトなどの付帯設備のためのスペース、装置の清掃や消耗品の交換に必要な作業スペースが必要です。導入時には、必要なスペースを確保できるかを確認しましょう。

設置場所とは?

脱臭装置の設置場所には、大きく分けて屋外、室内、ダクト(捕集した臭気を含む排出ガスを通す管)内があります。屋外や屋内に設置する場合には、スペースの確保が必要です。また、装置の運転音などに注意が必要となる場合もあります。設置スペースがない場合には、屋上や屋根に設置することも可能ですが、設備工事費などに影響しますので、メーカーとよく相談しましょう。ダクト内に設置する場合は、スペースはさほど必要としませんが、維持管理の容易さや火災などの安全性の確保に注意が必要です。また、臭気の排出口は近隣の迷惑とならないよう、できるだけ高い位置に設けたり、排出する向きを考えることが大切です。

脱臭効率とは?

脱臭効率は、装置に入る前と装置を出た後のにおいを比べて、どのくらいにおいが低減しているのかを表しています。通常、装置によって除去された臭気濃度を脱臭前の臭気濃度で割ってパーセント表示したもので表されます。ただし、においが臭気濃度で半分に減ったとしても、人の感覚ではあまりにおいが弱くなったとは感じません。10分の1程度ににおいを減らして初めて、人が嗅いで「においが薄くなった!」と感じられるのです。脱臭効率は一般に高いほうが良いのですが、脱臭装置を設置する目的は、排出口の出口での臭気レベルを一定程度以下にすることですから、装置出口でどの程度の臭気レベルを保証できるのかを確認することも重要です。目標とする臭気レベルは事業場の立地条件などにより異なります。なお、消・脱臭剤を用いる場合、消・脱臭剤そのもののにおいから脱臭効率としては低くなっても、不快感が和らぐことで効果があることもあります。